本書は、サイバーエージェント代表取締役社長 藤田晋氏が勝負の押し引きを見極めるための思考と技術について語っています。
人は自分のタイミングで勝負に出てしまう、欲望のままにプレーをして自滅します。例えば、ポーカーで「今は運が回ってきているから、少しハンドが弱くても参加してしまおう」など。
確率を意識して、**不利な局面であっても「歯を食いしばって耐える」**ことが重要です。リスクよりもリターンが大きい(期待値が大きい)場合は、腹を決めて勝負に出ることが大事です。そうでなければチャンスを逃してしまいます。
「言い訳」ばかりしている人に投資をしたり、働いてみたいと思う人がいるでしょうか。また、不運やどんなに理不尽なことが起きても自分で何とか出来たと思い、反省し対策を考えた方が自身の成長にも繋がります。そのため、どんな理不尽が起きても言い訳は許されません。
麻雀では誰しも「運」と「実力」の割合は同じな中で、結局運だからと投げやりにせず、その運すらも最大化しようとする一生懸命な姿勢・努力が差を生みます。(幸運の最大化と不運の最小化)
先手を取ると単純に選択肢が増えます。主導権をとり、有利にゲームを進められます。逆に後手に回ると選択肢が一発逆転の一択になってしまいます。
人が頑張れるためのモチベーションとして、「大きな夢を掲げて」とか「実現したい未来」のような理想を掲げるのは動機としては弱いです。それよりも人に迷惑をかけられないとか多額のコストがかかっているとか、後戻りできない、サボれないなど「下から火で炙られているような」状況を自分で作るのが効果的です。
サービスを使い倒す、ユーザーを知り尽くすことは BtoC の事業で当てるには必要です。自社のサービスを使ってない人にプロダクトを任せたいと思わないし、クオリティを判断するには競合他社のサービスを深く理解していないと当てること出来ません。
クリエイターや役者(仕事相手)とも自信を持って接することが出来ます(映像業界に溶け込める)。また、様々な立場での怒りや悲しみ、理不尽などを少しでも感じられ共感力のある良いリーダーになれます。
グロバリゼーションの時代、自国の中だけでなく世界水準を目指すことが大事です。世界のどこからでも選ばれるし、様々な国のプラットフォームに乗って世界中に提供される仕組みを作れることが今の時代大事です。
人は置かれた環境や周囲の人間に強く影響を受けます。大多数がポジティブならば、中間の人も影響されて前向きになります。
相手を説得したいなら、「相手に喋らせる」「聞き上手になる」「思い付かせる」ことが相手を説得させるための原則です。たとえ相手の言うことが間違っていても、向こうにも向こうなりの正義があり、正論だと思って発言しています。それを真っ向から否定すると嫌われたり、周りから人がいなくなります。論破や正論をいうことは気持ちいいかもしれないが、相手を味方につけたい場合「議論を避ける」「誤りを指摘しない」というのも大事です。
また、いかに相手の関心ごとに話題を持っていくか、下調べなど事前準備においても余念をなくすことが重要です。
気づかないうちに嫌われたり、敵を作ったりして、将来的に負ける要因を自ら作ってしまいます。従わせたり、イエスマンばかりが周りにいることは気持ちいいかもしれないが、良いことは一つもないので意識しておきましょう。
客観までできる人は、相手から自分がどう見えているか、自分の精神状態はどうあるのか、客観視出来ている。そうすると、裏を書いたり、相手に合わせた戦い方ができるようになります。また、俯瞰も出来ると大局的な視点で、現在の位置付けを認識し、勝負所や引くべきところを見極められます。
人が最もやる気を出すのは自らが考えたアイデアを形にしていい時です。成功したら最高の達成感、失敗してもその悔しさまでも充実感として感じられます。ただ、成果が出せない場合に「言い訳」という逃げ道を塞いでいるとも言えます。